呼吸は大事というのは、もうすっかり世の中の常識として浸透している。
そしてやっぱり本当に呼吸は大事だとあらためてお伝えしたい。
呼吸は不思議だ。
あらゆる生命活動の中で唯一、ヒトの意志で制御できる。
自分のカラダであっても、私たちは心臓の動きを早めることも、止めることも
できない。しかし呼吸は無意識でも働き、
自分の意志で止めることすらできてしまう。
ヒトに与えられたその余地は一体何のためなのか‥‥呼吸の意味するところを
考えずにはいられない。
姿勢がわるくて良い呼吸をしている人はいない。
それくらい姿勢と呼吸は関係が深い。
そして良い呼吸ができるようになれば、多くの不調は改善する。
滞っていた手先、足先に血が巡り背中は弾力を取り戻し、
姿勢は整ってゆく。
だからコンディショニングにおいても、姿勢改善においても
呼吸は最重要、Be-Styleで提供するセッションの3本柱のひとつなのだ。
コンディショニングではまず胸郭にアプローチする。
胸郭とは鎖骨から下。胸椎(背骨の上部)、肋骨、胸の正面にある胸骨で構成される。肺や心臓を囲う鳥かご状の 胸周辺の骨格のこと。
呼吸をつかさどる横隔膜は常に緊張していて、胸まわりを固くする。
そこでまずは胸を手のひらでさする。(写真参照)
次に人差し指、中指の2本を使って、
鎖骨と肋骨の間、肋骨同士の間を溝そうじの要領で胸の外側に向かって指で圧し流す。(写真参照)
すると呼吸がしやすくなる。肺がしっかり膨らんでいくのを感じられるようになる。実は肺は自身で膨らむための筋肉がないので、肺を取り囲んでいる肋骨の筋肉の力が必要なのだ。
この溝そうじはとても痛い。でも効果はバツグン。簡単に今すぐできるのでぜひやってみてほしい。
呼吸が精神に及ぼすものも大きい。
呼吸がちゃんと出来ると、
とくにしっかり吐けるようになると、
副交感神経というリラックスさせる神経が優位になるため気持ちが落ち着く。
睡眠にも大きく影響する。不安が多い人の呼吸はとても浅い。キレやすい人も
同じ。
また呼吸に使われる腹横筋はコルセット状にウェストを覆っているので
しっかり腹式呼吸を続けたら、くびれたウェストも手に入るおまけが付いてくる。
トレーニングやストレッチでも呼吸は重要な鍵になる。
息を吐くときに力が出るので、ダンベルを持ち上げるときに吐き、吸いながら下ろす。腕立て伏せなら上がってくるときに吐く。
ストレッチでは筋肉を伸ばすときに吐く。緊張がとけ力が抜け筋肉が伸びやすくなる。効果は大きく効率も良くなる。
私はずっと呼吸が苦手だった。肺活量は小学生並み、ピアニカもまともに吹けない。
そんな私もコンディショニングの力を借りて少しづつ呼吸ができるようになった。
毎朝の瞑想&呼吸は大切なルーティンになった。
そしてこの2月には寒さのせいで風邪をひき、咳が止まらなくなった。
1週間ほどして風邪は回復していったのだが、倦怠感はひどくなっていた。
なんとも言えない不快が続いた。
はたとこの1週間まともに呼吸をしていないことに気づいた。
咳が出るので日頃のルーティンも控えていた。
慌てて呼吸をすると、堰を切ったように全身に血が巡る感覚があった。
手先足先が明らかに温もっていった。
全身を覆っていた倦怠感や不快感が、雲が晴れたように消えていた。
10回にも満たない呼吸のあとのことである。
これにはほんとに驚いた。呼吸は大事!をまた実感した。思い知った。
私たちは1日およそ2万回呼吸している。そのうちの10回でもより良い呼吸が
出来たら人生はきっと変わる。カラダは確実に変わる。今すぐできる。道具もいらない。場所も選ばない。やらない手はない。
息は息る(生きる)からきているのだそうだ。
自らの心(と書いて息)見つめ直してみませんか? CHiHiRO